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HOME > + 財務図表 > [財務図表講座]全体像の読み方(2日目)
財務図表をご活用いただくためには、会計入門書籍をかじる程度の知識が必要です。本当に必要な部分だけを、「ざいむ先生」と「ずん太くん」の対話形式でお送りします。 簿記3級や中小企業診断士試験勉強中の方にもお勧めです。 試験テクニックや暗記も重要ですが、会計基礎を理解しておくと学習もはかどります。
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先生、今朝の新聞を読んでいて、ひとつ疑問に思うことがありました。 赤字の場合は、どのようになるのでしょうか?
この図は、とある赤字企業のものじゃ。 正確に言えば、大赤字じゃがの。 黒字企業と違って、純資産と収益が重なっていませんね。 その通りじゃ、資産と純資産の間を見れば、黒字企業か赤字企業かが一目でわかる。
「会社に出入りしたもの」として考えるとわかりやすいですね。 入ってきたものより、出ていったものの方が多いから赤字なんですね。 うむ。 よく覚えておったの。
黒字企業か赤字企業かを判断するだけなら、もっと簡単にわかりませんか?
黒字か赤字かを判断するだけならその通りじゃ。 ある企業が1億円の赤字を出したとしよう。 この企業と取引すべきか、この企業に投資すべきか、お金を貸すべきか、判断できるかの?
大企業なら1億円の赤字でも大丈夫だと思いますが、小さい会社なら倒産する可能性があると思います。 「1億円の赤字」だけでは判断できません。
その通りじゃ。 利益は純資産を増加させたが、損失は純資産を減らしてしまうのじゃ。 損失部分の色は、純資産の一部が価値を失ったことを意味しておる。
この企業の場合、損失で純資産が半分以下に減ってしまっています。 あっ!だから大赤字なんですね。
そうじゃ。 新聞などで、「過去最大の赤字を計上」という見出しが踊ることがある。確かに、経営上大きな問題じゃが、会社の価値をどの程度損なうものなのかを、冷静に見ることも必要だと、わしは思うぞ。